幸せになってもいいですか?
まさか、彼女と仲良くなるとは思わなかった
彼女は嫌な顔一つせず
時折、私のマンションに来ては
一緒に食事をしてくれたりする
『ごめんなさいね、結婚式に出席出来なくて…。奏くんのタキシード姿、見たかったわ』
「…写真で見たでしょ」
すかさず冷たい声が飛んで来る
奏くんと彼女は結婚した
結婚式に何故か呼ばれた私
本当は行きたかった…
奏くんの幸せも
彼女の幸せも祝福したかった
でも、私にその権利はない
『奏くん、待っててね。私、いつか奏くんと一緒に仕事ができるようになるから』
そう言って
彼女の隙を狙って
奏くんの頬にキスを落とした
彼女も、久慈くんも
もちろん奏くんも驚いて
悲鳴に似た声を上げている