幸せになってもいいですか?
番外編 彼の本音は誰にも言えない


紗枝のマンションを出た



振られた

まさかの返事に正直堪えた
紗枝なら喜んで受け入れると思っていたからだ


まさか、あのガキに?
紗枝の後輩だと言っていた男を思い出した
あんなガキに負けるなんて…、と
自分の不甲斐なさを感じるが
それ以上に
自分の気持ちを紗枝に見透かされていると思うと、やりきれない気持ちになる



『好きな人、いるでしょ?』



紗枝の言葉に絶句した
何をどう見て、そう思ったのか…
もしかして、あのガキ
紗枝に余計な事を吹き込んだのか?

いや、確かにオンナといた所を
あのガキに見られた
でもあれは、客だ

どうしても付き合ってくれと言われ
仕方なく…だ
社長である母親に言われて…しかたなく

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