幸せになってもいいですか?



ふー、


煙草を吸いながら
紗枝のことを思い出していた

仕事を辞めるようなことを言っていた
…ならやはり、あのガキと?
血迷ったか、と呆れてしまう



「あれ?孝さん?」


後ろから声を掛けられ
振り返ると、奏がいた
珍しいな、と話しかけると
奏の隣にいた男が会釈をしてきた

どうも、と俺も会釈をすると
苦笑いしながら
「俺の兄貴です」と奏が紹介してくれた


奏の兄貴?
…と、いうことは
紗枝の元婚約者だ

雰囲気は奏と似ているが
顔自体は似ていない


奏の兄貴は先に座ってるぞ、と
もう一度俺に会釈をし行ってしまった
律儀だな、と思いながらも
紗枝には合わないタイプだなと思った

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