幸せになってもいいですか?


『では、私は2号車を使いますので、専務は1号車を使ってください』


「ありがとう、助かるわ」



そんなやり取りをしていると
秘書課のドアが勢いよく開いた



「おはようございます!」


元気な声がフロアに響いた
明らかに場違いなトーンに
秘書長が近づいていく



「おはようございます、久慈くん。元気な挨拶はいいですが、朝礼には参加してください」


「えっ?もう終わったんですか?」


おかしいなぁ、と
ヘラヘラ笑っている


秘書課に相応しくない
本当に場違いな男、久慈美由紀
今年、配属になった彼は
ある意味、秘書課の小間使いだ


秘書長の下で毎日忙しく
走り回っているが
秘書らしい仕事をしているようには見えない

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