幸せになってもいいですか?


何を信じて、誰を信じていいかわからず
結局、ひとりだ


あの頃に戻りたい、と思いたくなる



「紗枝さん、眉間にシワが寄ってます。綺麗な顔が台無しですよ」


いなくなったと思っていた久慈くんの顔が
目の前にあり、驚いてしまった


『きゃっ』


「紗枝さん、可愛いですね」


嬉しそうに去っていった久慈くん
完全に遊ばれている
気を取り直し、仕事に取りかかろうとすると
麻里さんが話しかけてきた


「久慈くんと、くっついちゃえば?」


『冗談はやめてください』


まさか麻里さんにまで言われると思わず
少しムキになってしまうと
麻里さんは冷静に返してきた


「あんなにストレートな気持ち、嬉しいじゃない。見てて羨ましく思うわ」

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