幸せになってもいいですか?


「あ、紗枝さん、おはようございます!今日も綺麗ですね」



そう話してくる久慈くん
毎日のことで
はいはい、とあしらう毎日だ


『おはよう、久慈くん』


それだけ言い
デスクへと戻る


「紗枝さん、相変わらず冷たいなぁ」


ニコニコしながらついて来る
犬…、いや
金魚のフンみたいだ


『久慈くん、仕事』


その言葉に
えー、と拗ねた声を出しながら
久慈くんは席へ戻っていく


このやり取りが毎日だから
秘書課の人達は何も言わない
もう慣れたものだ


好かれるのは良いことだ
私みたいな性格を好いてくれるのは…
だが、久慈くんは年下
しかも、彼と同い年
だからかもしれないけど
たまに彼と被ってしまう

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