幸せになってもいいですか?
無言のまま
黙々と食事が進む
料理が上手な孝のオムライスは美味しい
だが、今日は何故だか味がしない
多分、この状況のせいだろう
食べ終わると
孝は自分の名刺を久慈くんに渡した
「美容師。今日は休み」
それだけ言って
私達の皿を片付けキッチンへ行ってしまった
久慈くんは
じーっと名刺を見ている
『久慈くん、そろそろ戻らないと秘書長が心配するわよ』
本当に帰ってほしいのに
久慈くんは全く動こうとしない
暫くすると
片付けが終わった孝が戻り
私の隣へと座った
「で?君は何をしにきたの?紗枝の安否を確認しにきた…けど、俺がいたことで目的がかわったんじゃないかな?」