幸せになってもいいですか?
孝が私にプロポーズ?
思ってもない展開に言葉が詰まる
嬉しいが、
戸惑いの方が強い
いつだって孝は
他の誰かを求め
気が向いた時しか
私を求めてこなかった
「そういうことだから、久慈くんは帰ってくれるかな?」
ニコッと笑っている
まだ孝を睨みつけている久慈くんは
わかりました、と立ちあがった
心配してた来てくれた久慈くんを
見送ろうと後を追った…が
廊下で久慈くんに止められた
「見送りは結構です。まさか婚約者がいるとは思いませんでした…。でも、俺は諦めませんよ。紗枝さんはあの人と一緒にいても幸せにはなれません。紗枝さんを幸せにするのは、俺ですから」