幸せになってもいいですか?


「おっはよーございます」


いつもと変わらない
元気な声がフロアに響き渡る


「紗枝さん!良かった。顔色もいいですね!」


『ええ、』


どんな顔をして会えば…
そんなことを考えていたが
久慈くんはいつもと何一つ変わらない
昨日のことが何もなかったかのようだ


「今日からまたお願いしますね」


ニコニコしながら
仕事を始める久慈くん
そんな久慈くんのサポートにまわる
それが私の仕事だ


常務と顔を合わすことが殆ど無く
デスクワークのみ
久慈くんに作成した資料を渡したり
わからないことを説明したり、と
立ち上がることも少ない

あの忙しい日々
けど、充実した毎日
それは、もう無くなってしまった

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