幸せになってもいいですか?



「紗枝さんにとって、俺は何?」




今でも忘れられない
そう言い放った奏くんの悲しい顔

年下の奏くんは
いつも私の事を一番に考えてくれて
どんなに疲れて帰っても
笑顔で迎えてくれて
奏くんが作る料理も美味しくて
温かくて…
奏くんといる時間が
何よりも幸せだった


でも、何もかも終わったのだ



「紗枝さん?」


久慈くんの言葉にハッとする
気がつくと
久慈くんが書類を手に立っていた


『ごめん、なに?』


「秘書長から再来月の日程です。確認してくださいって言ってました」


そう言って渡された書類
ありがとう、と受け取り
気を引き締め直し、仕事に取り掛かった

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