幸せになってもいいですか?
幸せになるために
「東雲さん、どういうことですか?」
出勤してすぐ
私の目の前に秘書長が仁王立ちしている
でも、これは想定内だ
『申し訳ありません。でも決めたことですから』
そう頭を下げると
なんだなんだ、とフロア内はざわつき始めた
染川優奈がマンションに来た次の日
私は会長であるみっちゃんと
常務であるとしさんと三人で
養父の命日のため、お墓へと来ていた
「しの…、早いな」
しんみりしている二人をよそに
私は養父にある報告をしていた
養父のお墓の前に
両親のお墓にも手を合わせてある
「年内には、いい知らせができるといいな」
としさんの言葉、
それは多分、勘違いしている
久慈くんのことだろう