塾カレ
これは何の涙なんだろう。
お父さんが死んでしまっていたことに対して?
お母さんから本当のことを聞けたことに対して?
…たぶん両方だと思う
悲しかったけど、ほっとしたところもある。
高校生だし泣きわめいたりはしないけど…
やっぱり悲しいものは悲しい。
「お母さん…」
「なーに?」
「お父さん以外のことで、まだ私が忘れていることはある?」
「…」
「知りたいの。
今聞かなきゃ後悔する気がする。」
お母さんは俯いた
「今の私なら現実全てを受け止められるから…
教えて。」
するとお母さんはずっと黙って話を聞いていた三人の方を向き
「ゆらちゃんたちのことよ。」
と言った。
「えっ…ゆらって…え?みんな!?」
三人は私の方を見て頷く
『私(俺)たちは、茉鈴が記憶をなくす前日まで幼なじみとして毎日遊んでたんだよ?』