塾カレ
「お、お菓子賭けて約束したりしたよね…?」




「そうそう…ってえっ?!」




三人の目が丸くなった。




「なんで、そのこと知ってるの?…まさか!」





「…あのね、記憶を思い出せたわけじゃないんだけど、少しだけ夢で見たことがあって。」




「夢で…?」




「うん。
遊園地で話してたのはお父さんだったのかな、とかあの遊んでた子供たちは私たちだったのかな、とか。
今になったら辻褄が合う気がする」






私は夢を通して昔の記憶を見ていたんだね




「不思議なこともあるんだな」






「「うんうん」」




「あ、そういえばさ、
その防波堤の日、私たちの他に誰かいた?
夢の中だともう1人、いた気がしたんだけど…」





3人の顔を見ると、やはりもう1人いたかのような素振りをしていた



「誰…か、覚えてる?」





「茉鈴」



「ん?」





「これだけは、私たちの口からは言えないや。」




「そうそう。
でも、たしかにもう一人いたのは確かだよ。
探してみたらどうかな?」





「音無が思ってもないほどすぐに巡り会えるはず」






すぐに会える…



あの日約束した男の子と…?


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