カミヒトエ

――背筋が寒い。

日射しは刺すように暑い筈なのに、何故だろう。

とても寒いんだ。

―――ゾクリ…

ふと、背中を指か何かで撫でられた感覚がした。

私は怖くて振り向けなかった。

嫌な予感しかしない。

振り向いては後悔する。

そう、思った。

この時期はまだ日が長い。だから辺りはまだ明るい。

なのに何で?

自分の周りだけ暗闇に包まれている様な不安感。


そして、聞こえたんだ。

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