センパイのカノジョにしてください
4.現在過去未来
「わぁ、混んでますね~」
春休みのファミレスは学生であふれてる。
禁煙ルームは満席で喫煙ルームの2人席を案内された。
あれ?
圭太センパイ、背のびた?
席まで歩いていくと気づいたギモン。
確か、卒業する頃って165センチないくらいでよく「ほぼほぼ65」って言ってた。
私は160センチあるから、あんまり目線が変わらなかった記憶があるんだけど、今並んで歩いた印象だと、170センチは絶対にあると思う。
だって、ヒールが今日はあるけど、それでも圭太センパイのが高い。
席に着いて、とりあえず一呼吸。
「センパイ、背のびました?」
圭太センパイは嬉しそうにニヤリと笑う。
「そうなんだよ~。高校入ってさ、10センチ近くのびた」
「やっぱり」
ホント目の前にいるのは圭太センパイだけど、どこか私の知らない人みたい。
ますますかっこよくなって、……ちょっとさみしいな。