センパイのカノジョにしてください
「なにそんなにうれしかった?」
「へ?なにがですか?」
「さっきからニヤニヤしてるから」
いや、これはあなたとのことで。
なんて言えるワケないし!
「はい、そうですね。引退してからほとんどカオ出してないんで」
私、グッジョブ!
なかなか優秀な返事!
「だなぁ」
圭太センパイも納得のカオ。
「シゲにまだ道場いるか確認してみるわ」
「はい」
圭太センパイはスマホで電話をかけた。
シゲくんは今度3年生になる後輩くん。
圭太センパイとは子供の頃から一緒に剣道をしていて、圭太センパイのことをすごい慕ってる。
その慕い方はまるで恋する人に対するそれみたいで、私と圭太センパイが話をしてたりすると割り込んできたり、私にイジワル言ったりする。
圭太センパイは中学時代からモテてたから、当然女子のライバルもいたけど、どちらかといえば、ファンってカンジの人たちで、唯一強力なライバルはシゲくん。