センパイのカノジョにしてください


1時間くらい道場にいて、部員と一緒に道場を後にした。

「え、これ、圭太くんのバイク?」

シゲくんは圭太センパイがバイクにまたがるのにビックリしてる。

「そっ」

「マジか~。チョーかっけ~」

他のコたちも、中学生にとっては身近ではない乗り物に色めきだって、圭太センパイを囲む。

そんな光景を見ながら、私は自分のことじゃないのに、さっき一緒に乗った優越感に浸っていた。


「なにニヤケてんだよ、キモチわりぃ」

ムッカ!

私が多分ニヤニヤしてたのは事実。
だけど、キモチ悪いはいいすぎだろ!

ホント、カンジ悪いオトコ~!


「神崎」

圭太センパイからヘルメットを渡される。

「乗るぞ」

「はい」

私は急いでヘルメットをはめて、出発準備オッケーの圭太センパイの後ろに乗った。

ドキッ!

さっきとおんなじように私の腕を自分の体にしっかりと巻きつけるから、やっぱりドキドキしちゃう。

でも、みんな(特に天敵シゲ)の前でこんな行動できちゃうのはとっても幸せ。

「じゃあ、部活がんばれよ」
「がんばってね」

部員たちに手を振ると、バイクはすぐに出発。

みんなのまなざし、私たちのことをうらやましく感じてるように感じたのはうぬぼれじゃないよね?

シゲくんは相変わらずにらみまくってたけど。


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