センパイのカノジョにしてください
「あのっ」
「ん?」
うれしそうに笑ってる圭太センパイのクチの端が一層ニコッとなってる。
瞳もやさしい。
あーーー!
好きだよぉ!
圭太センパイが好きすぎるよぉ!
「さっそく使ってみてもいいですか?」
「もちろん」
右手首に軽くひと吹き。
それを左の手首とこすり合わせ、首筋にもつける。
香水初体験。
由実ちゃんがつけてる方法をマネてみた。
自分の両手首をクンクン。
さっきかいだイメージ通り。
さわやかなグリーンの香りはまるで新緑の中にいるみたい。
「どんな?」
「すごく好きです」
「よかった、ちょっとオレもかいでいい?」
ひょえ~~~!
圭太センパイは耳元でクンクンする。
時々うっすらと圭太センパイの息がかかるから、それだけでアタマがクラクラする。
「うん、神崎っぽい」
「そうなんですね!」
今度からおでかけの時はつけようっと。
「よし歌うべ」
「はい!じゃあ、まずは圭太センパイのラップ~!」
「よっしゃ」
こうして私たちはふたりで3時間も歌いまくった。