最強少女
「優樹、また男の服なんか着て…。
優樹は女の子なんだよ!」
「知らない。服装なんて人それぞれ。
…そう言えば、今野 時雨が話しかけてきた。
アイツと私は、どんな関係があるんだ?」
そう聞くと愛弥は悲しい顔をし、
私から離れる。
「優樹、まだ過去引きずってるの?」
「過去…?」
過去って、なに?
私には過去の記憶がない。
小学3年生から中1までの記憶が。
でも、唯一覚えてる事がある。
それは小5の時。
私の周りは血の海で、
私の服も真っ赤だった。
それだけ。
それだけしか、覚えていない。