溺愛執事に花嫁教育をされてしまいそうです
「それ以外に質問はありますか?」
その言葉に、ありすは何も言えなくなってしまった。
「それでは私からもいくつか質問があります」
そう言われてありすは目を瞬かせた。
なぜならそれまでの柔らかい視線をしていた橘の目が
一瞬にして、厳しく鋭いものになったからだ。
「なぜ、あのホテルにあの方と一緒にいらしたんですか?」
詰問されるように問われて、ありすはその勢いに
しどろもどろになってしまう。
「あの……花を活けたから見に来ませんかと……」
「直接、電話をもらったんですか?」
その言葉にうなづくと、橘はあきれたように深く嘆息をついた。
「勝手に連絡先を交換していただいては困ります。
それに急に予定変更される場合は、橘までご連絡ください。
後は男性からの呼び出しに、そんなに安易に
応じられることも、宜しくありません。
先ほど申し上げたように、私はお嬢様の男性との交際や
今後のご結婚に関することについて、
全面的に見守るように言われております。
勝手に連絡を取られますと、いざとなったとき、
お嬢様をお守りすることが出来ません」
ハイ、と言われて手を出されて、
ありすは思わず、え? と聞き返してしまった。
「携帯電話を出して下さい。
今ここで連絡先を消去していただきます。
次からは家の方へデートの申し込みにお願いしますと
こちらからもお伝えしておきますので」
なぜか淡々としゃべる様子が妙に怖い。
「あの……え。あ……はい」
思わず橘の前に携帯電話をだし、言われた通り目の前で連絡先を消してしまった。
「……これでいいですか?」
そう携帯を握りしめながら、上目づかいで確認を取ると、
「はい、申し訳ございません」
にっこりとほほ笑まれて、ありすは言葉を失う。
(なんだか……釈然としない……)
と思いながらも、気付けばまた橘のペースだ。
「橘さんだって……よく分からない人と婚約してたり、
キスしてたりしてたのに……」
思わずぶつぶつと文句を呟くと、
橘はどこか冷たい瞳のまま、薄く笑みを浮かべた。
「あんなのは、キスとは呼びません」
ふわりと、ベッドに腰掛けたままのありすの頤に
手を添わせると、彼女の顔を上向けた。
その言葉に、ありすは何も言えなくなってしまった。
「それでは私からもいくつか質問があります」
そう言われてありすは目を瞬かせた。
なぜならそれまでの柔らかい視線をしていた橘の目が
一瞬にして、厳しく鋭いものになったからだ。
「なぜ、あのホテルにあの方と一緒にいらしたんですか?」
詰問されるように問われて、ありすはその勢いに
しどろもどろになってしまう。
「あの……花を活けたから見に来ませんかと……」
「直接、電話をもらったんですか?」
その言葉にうなづくと、橘はあきれたように深く嘆息をついた。
「勝手に連絡先を交換していただいては困ります。
それに急に予定変更される場合は、橘までご連絡ください。
後は男性からの呼び出しに、そんなに安易に
応じられることも、宜しくありません。
先ほど申し上げたように、私はお嬢様の男性との交際や
今後のご結婚に関することについて、
全面的に見守るように言われております。
勝手に連絡を取られますと、いざとなったとき、
お嬢様をお守りすることが出来ません」
ハイ、と言われて手を出されて、
ありすは思わず、え? と聞き返してしまった。
「携帯電話を出して下さい。
今ここで連絡先を消去していただきます。
次からは家の方へデートの申し込みにお願いしますと
こちらからもお伝えしておきますので」
なぜか淡々としゃべる様子が妙に怖い。
「あの……え。あ……はい」
思わず橘の前に携帯電話をだし、言われた通り目の前で連絡先を消してしまった。
「……これでいいですか?」
そう携帯を握りしめながら、上目づかいで確認を取ると、
「はい、申し訳ございません」
にっこりとほほ笑まれて、ありすは言葉を失う。
(なんだか……釈然としない……)
と思いながらも、気付けばまた橘のペースだ。
「橘さんだって……よく分からない人と婚約してたり、
キスしてたりしてたのに……」
思わずぶつぶつと文句を呟くと、
橘はどこか冷たい瞳のまま、薄く笑みを浮かべた。
「あんなのは、キスとは呼びません」
ふわりと、ベッドに腰掛けたままのありすの頤に
手を添わせると、彼女の顔を上向けた。