【短編】新着メッセージが一件あります。
「ただいまー」
私は扉のすぐ近くにある玄関から廊下にかけての電気のスイッチを入れた。
玄関だけでなくリビングも電気が消えているあたり、母はまだ帰宅していないらしい。
リビングの扉を押し開けてすぐに電気をつける。
ソファの上に放り投げられているテレビのリモコンを手に取って、右手で操作しながらキッチンへと向かい冷蔵庫を開けた。
平皿に盛られてラップをかけられた美味しそうな唐揚げ。それを丸ごとレンジに突っ込んで、加熱ボタンを押す。
「ん。お母さんからだ」
帰宅するまで触れていなかったスマートフォンを開くと、母から画像が送信されているようだった。
下から上にかけて指先でスクロールしていく。唐揚げが出来るまでの過程を写真に残したものらしい。
私は半笑いで指先をスライド、画像は一気に上にいき――私は目を見開いた。