君の声がきこえたら。
一夢

“春はどこにあるの?”

“ここに、あるよ”

“嘘よ。だって見えないもの”

“ふふ。君はおかしなことを言うんだね”



ただ、寒い。
ただただ寒い朝だ。
そしてどうしてか心が痛い。

「また、か...」

真っ白な空間に風が吹いていて
私はいつも夢の中の不思議な空間で
知らない声とお話しする。

夢とはおかしなもので
目が覚めると会話の内容だけが頭に残り
その知らない声を思い出すことができない。


月に一度、私は知らない声とお話しするんだ。


夢の余韻は、いつも、ほんの少しの悲しさと痛み。
心が、胸が、喉のあたりが
きゅうっと痛む。

そうして始まった1日は
切なくて、泣きそうになっちゃうんだ。

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