綺麗な、ワタシ。
口の中も血の海で、話すことも出来ない。


顔中の激痛に悶えくるしむのみだ。


すると畠山さんは、ナイフの柄をペロリと舐めて、微笑んだ。


「もうちょっと...。最後は私が」


なんのことか、と思うより先に、畠山さんの右手人差し指は私の左目に突き刺さっていた。


ビイイイン、と身体が痙攣し、右目から泡が溢れた。


ぶくぶくっと、メレンゲのような。


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