胸いっぱいGYU
「・・・沙都・・」
ベッドに寝かせている沙都の手をそっと握った。
「ごめん・・ごめんな、沙都・・」
涙が出てきて顔を上げられなくなった。
どんどん・・どんどん・・涙があふれて止まらない。
自分のどこにこんな感情があったのか・・
どうしてこんなに涙が止まらないんだ・・。
オレは沙都の顔をじっとみつめた。
この先の時間を沙都と二人で歩いていきたかった・・。
オレの隣で大人になっていってほしかった。
まだまだオレと一緒に絵を描いてほしかった・・。
沙都・・。
目覚めたらいっぱい泣くかもしれない・・。
オレはお前のことをいっぱい傷つけたんだろう・・。
・・だけど・・信じてほしい。
お前の未来は明るいんだと・・。
この先の長い人生を笑って過ごすための涙なんだと・・。
オレと一緒に過ごすはずだった未来をどうか諦めないで。
オレじゃない誰かとまた幸せな恋をして。
オレを悔しがらせるくらいお前のことを愛している誰かとどうか・・出逢いますように・・。