胸いっぱいGYU

・・うるさい・・。

黙れ・・!

お前の声なんか聞きたくない・・。


好きでもない女を抱くことがこんなにもむなしいものだったなんて思わなかった。

オレは、ただ一人の愛しい女を傷つけて、好きでもない女とこうしてセックスをしている・・。



なにしてんだ・・オレ・・。

自分自身がわからなくなる。

だけど・・オレは今目の前にいるこの女を抱くしかないんだ・・。


沙都には、絶対に手出しはさせない・・!
















「ねぇ、諒・・ずいぶんと乱暴な抱き方だったわね」

あれから少し落ち着いた時間が過ぎていっていた。

香奈はまだベッドに転がっている。

ベッドから一刻も早く立ち去りたかったオレは一人ソファに座ってただ呆然としていた。


「・・乱暴な方が好きなんだろ・・?」

オレは目線も合わさず口調も淡々と答えた。

別に香奈の好みに合わせて抱いたわけではなかった。

優しく抱くつもりがなかった。

ただそれだけだった。


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