胸いっぱいGYU

「やっぱり諒は他の男とは違うわ・・。私を満足させてくれるのは諒だけね」

「そりゃ、どーも」


こんな場所で・・こんなオレが沙都のことを考えるとお前が汚れるようでイヤだけど・・やっぱり考えない時間なんてないんだ・・。

いまごろ泣いているんだろうか・・。

ちゃんとメシは食ってるのか・・?


「ちょっと、諒。私との会話が上の空だけど、何を考えてるのかしらね?」

いつの間にか香奈がオレの横に立っていた。

オレはそれに全く気がついていなかった。

「・・何も考えてねーよ」

咄嗟に取り繕った。

「・・・だったらいいけど、もしかしたら私の言った意味が分かってないのかと思ってね・・」

香奈の顔はまるでゲームを楽しんでいるかのようだった。


私の言った意味って・・

オレと沙都を別れさせるだけでは気がすまないってのか・・。

オレに沙都のことも考えるなってことか・・。


オレには沙都を想うことすら許されないのか。




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