胸いっぱいGYU


オレは再び沙都の目に映ることができる。

もう二度と叶わないと思ってた。


沙都にとってオレに再会することはつらいかもしれない・・。


だけど、オレのこの我が儘を許してほしい・・。


オレ、お前の幸せを見届けたいんだ。



沙都と出逢って恋をして愛すること、愛されることを初めて知った。

別れて失ったものの大きさを知った。





そして、オレは今、お前の前に立つ。


「こんにちは、松浦諒です。美術の非常勤講師としてきました」


お前の目に今オレはどんな風に映ってる?

恨んでる?憎い?

それとも・・・?


オレはこの壇上からでもお前のことをすぐに見つけられる。

ずっと、ずっと想っていたんだ・・。



沙都・・


お前が好きだ・・。





だけど、オレはやっぱりお前のことをすごく傷つけていたんだな・・。

オレは自分の我が儘でここへきたことを悔やむんだろう・・。

お前の幸せを見届けたいと思っていたのに、オレ自身がお前の幸せをぶっ壊していくなんて・・。






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