胸いっぱいGYU



私たちはここが学校内であることすら忘れていたのかもしれない・・。

それくらい放課後の校舎の最上階は静まり返っていた。

しかもかなり奥の廊下の端。

誰かに見られたら怪しすぎる光景だった。


「あの日別れてからもずっと・・お前のことを忘れたことはなかった」


「・・・・」


「お前のことがずっと好きだった」


目の前で愛の告白をする元カレがいる・・。

私だってずっと忘れられなかった。


だけど・・素直に喜べないのは・・


「・・諒が私に別れを告げたのって・・その、花園香奈さんって人が原因なの・・?」

一瞬、諒の表情がこわばった。


「そっか・・、お前最初から聞いてたんだな・・オレと久住さんの話・・」

諒は少し笑った。

ううん・・。笑ったっていうよりは何か諦めたような顔・・?


「じゃあ、オレがお前と出会う前のことも聞いたのか・・」

私は無言で目をそらした。


「そっか・・。オレがめちゃくちゃいい加減な生活してたことも知ったのか・・」


・・・。

そう、正直ショックだった。

私が出逢った松浦諒という人間はいい加減どころか正反対のような・・人だったから・・。


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