胸いっぱいGYU

「・・ごめん・・」




なんで・・。

なんで私いま謝られたの?


「・・どういう意味のごめんなの・・?」

諒は私と目も合わせない。

ただただうつむいていた。


「・・元はといえばそんなオレがお前と出逢って、好きになってしまったから・・結果的に傷つけてしまったわけだし・・」


・・何言ってんの・・!?

シケた顔して何言ってんのよ!


「じゃあ、あなたは私と出逢わなければよかったと思ってるの!?」

諒の目が私に向いた。

さっきとは全く違う・・鋭い眼差し・・。



「オレはお前に出逢ってなかったら今頃生きてない!」


「・・・!?」


「オレは・・あのときにお前と出逢うことができたから変われた・・。はじめて守るものができた・・」


「・・・守るもの・・?」


「お前のいう通りオレたちが別れた影には花園香奈がいた。だけど、お前のこれからの幸せを守るためならこれからのオレの人生香奈にくれてやっても全然惜しくなかった」








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