胸いっぱいGYU


・・・この男は・・本当にバカだ・・。

なんにもわかってない・・。


「・・ねぇ・・本気で言ってるの・・?私がどんな思いで毎日過ごしてきたと思ってるの・・?」


「・・・」


諒とお兄ちゃんの話を立ち聞きしてしまった私はあのときに苦しかったのは自分だけじゃないことを知ってしまった・・。

諒は諒でまた・・私と同様に・・もしかしたらそれ以上につらかったのかもしれない・・。


だからこそ知ってほしい・・!

あの頃の私の思いを・・。

今の私を・・。




私はものすごくつらそうな顔をしている諒の手をそっと握りしめてみた。


「・・沙都・・?」


「・・ねぇ・・諒?さっき私の幸せのために別れたって言ったよね・・?」


「・・・ああ」


想いが溢れてきて泣きそうになってきた・・。

そんな顔をみられたくなくてふいにうつむいた。


「・・一体私の何を見ていたの?・・私の幸せは諒が傍にいてくれていることだったのに・・!」





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