胸いっぱいGYU
二人は高校時代の先輩と後輩・・。

二人でいたって別におかしいことはない。

だけど・・だけど・・!


私はまた恐る恐るドアの隙間から中の様子を見た。

なにか・・しゃべってる・・。

聞こえるか聞こえないか・・くらいの声の大きさ。

私はじっと耳を澄ましてみた。


かすかにだけど・・聞こえる・・。


中の二人はため息まじりに煙草を片手に話し出す。


「・・諒・・。もう自分を責めるのはやめたらどうだ?」

・・・お兄ちゃんが諒にそう言っている。

一体どういうことなんだろう・・。

「いや・・オレは自分が思ってるよりももっと・・沙都のことを傷つけていたみたいです・・」

・・諒・・?


なに・・?この会話・・。

私・・聞いちゃってもいいの?

もしかしたら・・聞いてはいけない話なんじゃない・・?


そうは思っても身体が動かなかった。


聞いてはいけない・・。

だけど、聞かずにはいられない・・。








< 71 / 173 >

この作品をシェア

pagetop