胸いっぱいGYU
あれからしばらく二人で話をした。

くだらないこと、悩んでいること、学校で流行っていること・・話は尽きることがなかった。

空もだいぶと暗くなってきた頃、沙都ちゃんを家まで送っていった。

彼女は去り際に繋いでいた手を離そうとしなかった。

顔が、まだ帰りたくない・・そう言っているよう・・。

いやいや、それはさすがにマズい!!

オレももうちょっと一緒にいたかったけど、泣く泣く家に帰した。


そしてオレはそのまま駅の方へ行き久住さんの帰りを待った。









ほんの何分かすると改札口の向こうから久住さんの姿が見えた。

「久住さん・・」

オレの呼びかけに久住さんは反応した。

「お疲れさまです」

「悪いな、諒。今日は沙都の面倒見させて・・今帰りか?」

久住さんはバイト帰りの少々疲れた顔をしながらオレに礼を言った。

「いえ・・・あの・・ちょっといいですか?」

オレはそう切り出して久住さんが家に帰るまでの道のりを同行した。

とりあえず黙々と歩く・・。








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