胸いっぱいGYU
「・・・」
「あなたがこんな勝手なことしたのも全部あの子のせいね・・」
オレはイヤな予感がした。
だけどオレは沙都に対するこの気持ちを否定したくはなかった。
オレが見つけた恋をする気持ちを・・。
オレは今、ここでどうなってもかまわない。
ただ、この気持ちに誠実にいたい・・。
「・・香奈・・。オレは沙都と出逢っていままで見ていた世界が変わったんだ・・。彼女のことを愛している・・。めちゃくちゃ大事なんだ・・」
「・・・・」
香奈はさっきからまったく動じない。
オレの話も聞いているのかいないのか・・・・たぶん、ハッキリと聞いているはずだ。
「・・何言ってんの、アンタ・・。「愛してる』ですって!?笑っちゃうわね・・どのツラ下げてそんなセリフが言えるの?・・アンタみたいに汚れきった人間は言っちゃいけないセリフだわね」
・・汚れきった・・か・・。
確かにそうかもしれないな・・。
天使のような沙都を愛する資格すらないのかもしれない・・。
だけど・・オレはそれでもあの純粋な天使を愛してしまった・・。
もうオレの気持ちは後へは戻れない・・。
「香奈・・・!」
オレはソファに座る香奈の足下に手をついて頭を下げた。