胸いっぱいGYU
翌日、いつもどおり学校へ行った。
・・ただ、平然と授業を受ける気にはならなかった。
沙都と出逢ってから毎日ちゃんと授業にでていたオレは久しぶりに以前サボりに使っていた校舎の屋上にいた。
止めたはずの煙草に手を出す。
火をつけようとライターを出した。
「諒・・」
オレは声がした方へ顔を向けた。
「・・やめとけ」
そう言ってオレの口からまだ火をつける前の煙草を乱暴に取り上げた。
「・・久住さん・・なんでここに・・?」
オレを呼んだのは久住さんだった。
久住さんが屋上のドアを開ける音すら耳に入らなかった。
ただひたすらボーっと絶望を感じていた。
「お前がさっきここにいく姿みたからな。オレも久々にお前にのっかかろうと思って」
「そ・・っすか・・」
「・・・ホレ」
久住さんはさっき取り上げた煙草の代わりに飲み物をオレに手渡した。
「・・フルーツ牛乳・・すか・・?」
久住さんのキャラに似合わないジュースに一瞬気が抜けた。
「ハハ・・沙都が喜びそうだな・・・」
自分で言っててかなりヘコんだ。
また沙都の笑顔を思い出してしまった。