胸いっぱいGYU
久住さんのくれたフルーツ牛乳を一口飲んだ。

めちゃくちゃ甘くて・・・


まるで沙都と過ごした日々のよう・・。


「なんだ・・？やっぱブラックの方がよかったか？」

フルーツ牛乳を飲んで沙都とのことを思い出したオレはじっとうつむいたまま顔を上げられなかった。

「いえ・・フルーツ牛乳も・・悪くないです・・」


苦い生活を続け、抜けられなくて中毒になったオレに向けられた甘い甘い笑顔・・。


どうしても沙都のことを考えずにはいられなかった。



「久住さん・・香奈に沙都とのこと・・バレてしまいました・・」

「・・え・・？」

冷静沈着な久住さんもさすがに動揺した。

久住さんはオレの全部を知る唯一の人間。

もちろん花園香奈のことも・・花園香奈の怖さも・・知っている。


「全部オレのいい加減さが招いたことです」

実際その通りなことに自分自身笑えてしまう・・。

「・・オレみたいな人間が人を愛するべきじゃなかった・・」

半分笑いながら気持ちを押し殺して発言した。



じゃないと・・どうにかなってしまいそうだった。




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表紙・目次

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