胸いっぱいGYU
夕方、相変わらずこの堤防は心地いい風が吹く。
沙都との始まりの場所。
あれから季節は2度ほど移り変わった・・。
目の前にはその頃よりも少し大人びてきたオレの好きな子がいてる。
「・・・え・・?諒・・・?なんて・・いったの・・?」
「・・・・」
オレは沙都の目を見ることができなかった。
「ねぇっ、諒!」
「・・ごめん・・沙都・・。別れてほしい・・」
今度は沙都の目をちゃんとみて言った。
そう・・この別れを切り出すために沙都をこの場所へ誘った。
今のオレにはこうするしか・・できなかった。
オレは沙都に愛されている自信があった。
だから今の沙都の心境が痛い程よく分かる。
もしオレと沙都が逆の立場でオレの方が別れを切り出されていたら・・オレは生きていけるだろうか・・。
「やだ・・。やだよ!なんで!?私に悪いとこがあったの!?だったら直すから!!」
「・・・・」
「私が小学生だから!?・・だ、だったらそう見えないようにがんばるから!!ねぇっ、お願いっ、諒!!」