胸いっぱいGYU
・・違う・・!
そうじゃないんだ・・沙都・・。
お前に悪いとこなんてなにもない・・。
小学生だから・・?
そんなことは関係ないんだ・・。
オレは内心とは裏腹に冷静な顔つきを崩さなかった。
沙都に詰め寄られた時も泣きたい気持ちを押し殺した。
「とにかく・・そういうことだから・・」
オレは泣きじゃくる沙都に背を向けて歩き出した。
非情だと思われてもいい・・。
恨まれてかまわない・・。
それで今の沙都の傷が少しでも癒えるのなら・・。
自分勝手なのはわかってる。
だけど・・こうするしか・・ないんだ・・。
「待って・・!諒・・!!」
沙都の呼びかけがオレの決心を鈍らせる・・。
オレはその気持ちを必死にこらえた。
「お願い!!諒・・待っ・・・・・」
沙都の声が途中で途切れた。
振り返らないと決心していたオレはそんなことも忘れて即座に振り返って沙都の方を見た。
「・・・・!!」
そ・・んな・・!?
「オイっ!沙都!!沙都っ」