青空の欠片
「…?……お前…確か……。」
「あら…確か…長崎…くん?」
奏は、後ろの声の人物に目を丸くした。
「知り合い?」
竜也は、声の人物ににやりと怪しい笑みを見せた。
私も続くように、奏に軽く肘で小突いた。
「あ、あぁ…幼稚園が同じでな?小学校は違うんだか…偶然だな?」
「そうね…。」
−−−ドクン…。
私の胸の中で何かが、動いた様な気持ち悪い感覚がした。
「わ…わわ、私は、宮野…宮野、綾!!よろしくね??」
私は、奏達に怪しまれないように、わざと声を大きくした。
そして、声の人物に右手を差し出した。
「オレはー…神崎、仁。よろしく…?」
最後の疑問系が気になるけど、仁は、私に合わせて右手で握り返してくれた。
キーンコーンカーンコーン……。
チャイムが鳴り響いて、私達は互いの席に戻った。
担任の長い話しは誰一人と耳を傾けていなかった。
これが、私立…。
権力の高低差が激しいって、学年から読み取れる。
私はともかく、奏は大丈夫か、心配だ。