泣き跡に一輪の花Ⅰ~Love or Friends~。
子供が欲しかった物。
「空我?」
聞き覚えのある声が聞こえて、恐る恐る目を開けると、目の前に潤がいた。
「やっと見つけた。俺ん家で手当してやるから、ほら、いくぞ」
そういうと、潤は両手を使って、俺の体を無理矢理起こし上げた。
そして、そのまま潤は俺の目の前にしゃがみこんで、俺をおんぶしようとする。
「え」
予想外の自体に、俺は声が漏れた。
「早く乗れ」
俺を一瞥してから、雑に潤は言う。
躊躇いながらも俺が背中に乗ると、潤はため息を吐いて、ゆっくりと歩き出した。