泣き跡に一輪の花Ⅰ~Love or Friends~。
「あぁ。確かに逃げた。——でも、もう逃げない。
お前のことは必ず、この俺が救ってみせる」
細い俺の体を抱きしめ、潤は言う。潤の体は、微かに震えていた。
顔だって、涙でぐしょぐしょだった。
「バッカじゃねぇの? ——誰もそんなこと頼んでねぇよ」
俺は潤を嘲笑い、涙を隠して、冷たく言い放った。
ごめん、潤。
俺はもう、おまえらに迷惑を掛けたくないんだ。
「あぁ、そうだな。けど、一緒にいる。頼まれてようと頼まれてなかろうと、俺達はそばに居る」
潤は俺の考えなどお見通しだとでも言わんばかりに
そう得意げに言い放って、ぎゅっと俺を抱きしめた。
「…………本当に、お前ら馬鹿じゃねぇの?」
俺に、お前らといる価値なんてないのに。