泣き跡に一輪の花Ⅰ~Love or Friends~。
嘘を言ってるなんて、気づかないで欲しかった。
本当の馬鹿は、おまえらに捨てられたいフリをしてる癖に、実をいうと捨てられたくないこの俺だ。
ホント、意地っ張りにもほどがある。
「馬鹿でいいです。——あなたになら、どんな暴言を吐かれても、辛くはありません」
俺の近くに来て、純恋は笑った。
彼女は一週間前の夜と同じ、綺麗な顔をしていた。
「てか、馬鹿じゃなかったら喧嘩なんてしてないだろ」
いつの間に近づいてきていたのか、頭上から、奈々のいつもの冷静な口調が聞こえた。
「本当よねー!うちらを騙そうだなんて、千年早いんだから!」
奈々の腕に自分の腕を絡ませためぐは、心の底から呆れたみたいな態度で言う。