泣き跡に一輪の花Ⅰ~Love or Friends~。
「あづさんって、本当に泣き虫ですね」
俺の涙を人差し指の先で拭ってから、純恋は笑っていう。
「は、はぁっ!?」
「でも!
だからこそ、ほおってはおけません。
あなたが好きです、亜月空我さん」
俺が否定をしようと声を出す前に、純恋はそう笑って言い放った。
「純恋……」
目の前にいる純恋は、今までで一番綺麗な顔をしていた。
太陽と同じようなオレンジ色をした照明が、
彼女の顔を、一際美しく照らしていた。
「私を正式に、亜空の姫にしてくだい」