泣き跡に一輪の花Ⅰ~Love or Friends~。
「おはようございます、
あづさん」
純恋は笑うのをやめると、布団の上に正座をして、
満面の笑みを浮かべながら言った。
「はよ、純恋」
「いやぁ、まさかあづさんがこんなに起きるのが遅いとは思いませんでしたよ?」
口の前に右手の拳を持っていってクスクスと小さな笑い声をあげる彼女に、俺はついまた見惚れてしまった。
「……うっさい。
あれ、潤は?」
図星なのが癪で、適当にあしらってから
俺は純恋の後ろに置かれたベットを見た。
すると、すでにそこに潤はいなかった。
「もう起きて下でお姉様達を起こすのに奮闘していますよー。まぁ、正確には朝が弱い奈々さんをですけど」
——奈々を?
いやいや、それマズイダロ。
「純恋、俺達も下いくぞ。アイツ、寝起き超機嫌悪いからな。それに、ついでにいうと潤が危ない」