泣き跡に一輪の花Ⅰ~Love or Friends~。
「潤さんが、危ない?」
「……ああ」
俺は聞き返してきた純恋に頷き、慌てて立ち上がると、二人で部屋を出て、早足で1階に向かった。
「はぁ……」
だが、俺は部屋の前に着いたところで、突然足を止めて、ため息をついた。
「あづさん? どうかしたんですか?」
首を傾げ、純恋は俺の服の裾を引っ張る。振り向いた俺の顔を覗き込んで、純恋は心配そうに言った。
「………あいつ、起きてる時も眠ってる時も何しでかすかわかんないんだよ。……俺と同じで、色々、抱えてるから」
「えっ……」
震えた声を出して、純恋は言う。
「……まぁでも、何かあってもどうせ何とかなるから、純恋はあんま心配すんなよ」
そう言い、俺は口角を上げて困ったように笑い、キッチンルームのドアを開けた。