泣き跡に一輪の花Ⅰ~Love or Friends~。
「はーい、了解です」
桜桃は、そんな俺の気持ちなんて知らずに、俺に絶対の信頼を寄せた顔で、そう頷いた。
ごめんな、本当に……。俺はそう心の中で桜桃に謝った。
罪悪感を抱きながらも一旦ビルを出ると、そこには、当然のようにあの4人がいた。
「遅ーい」
俺が戻ってきた瞬間、めぐはそう文句を言い放った。
「ホント遅いですよ!あづさん!」
めぐに続けて、純恋までもが抗議する。
「し、しゃーないだろ? 2週間ぶりなんだから」
頭を掻きながら、俺は言った。
まさか純恋にまで文句言われるとは。
「早く屋上行こーぜ」
そこで、奈々がそう乱暴に言い放った。
つい、俺は笑いそうになった。
やっぱこいつはKYつうか冷静つうか……ま、そういうところが好きなんだけどな。