泣き跡に一輪の花Ⅰ~Love or Friends~。
《はぁー、なんでそんな投げやりなのよ》
「……すみません」
ため息をつかれ、俺は謝った。
《ま、いいわ。謝って欲しいわけじゃないし。
体調はどう? 大丈夫?》
「……はい、平気です」
空を見上げながら、俺はベランダの近くの部屋で眠っている空我を起こさないよう、そう小さな声で応じた。
《そ? ならよかった》
「あの先生、——空我のことで聞きたいことがあるんですけど」
先生がそういったのを聞いてから、俺は意を決してそう口にした。