泣き跡に一輪の花Ⅰ~Love or Friends~。
「先生が最低でも、あいつは、先生じゃなきゃ嫌なんです。
先生が道具じゃないって、大好きだって言ってきてくれるのを、ずっと待ってるんだと思います。
だからお願いします。
いつか必ず、あいつに大好きだって言ってやってください。
……俺が死んだら、空我をよろしくお願いします」
そう空我達に聞こえないように小声で言って、俺は電話を切った。
ごめんな空我、俺にはこれしかできないんだ。
ずっと一緒にいれない俺には、お前の母親にすがることしか……っ。
零れそうになった涙をこらえながら、俺は片手に持っていた煙草の箱を勢いよく開けて、ライターをつけて煙草を吸った。
一緒にいれなくても、できることはするから。
俺は最期の瞬間まで、きっとお前のそばに居るから……。