泣き跡に一輪の花Ⅰ~Love or Friends~。



「ふーん?」


「……それに、たまには男だけで話すのも
いいもんだからな」

 聞こえるか聞こえないか程度の小声で、そう俺は言った。




「ククッ、そうか。
 それにしても、まさか胴上げした方じゃなくてされた方が疲れて寝るとはなぁ……」




 潤はしょうがないなぁとでも言いたげに、笑っていった。




「けど、
潤はそういう奴だから惚れたんだろ?」



 煙を軽く吐いて、やれやれといった視線を俺はぶつけた。



「なっ! あぁ?
 ……悪ぃかよ。……やっぱめぐから聞いてんだな」



 潤は俺から顔を背けて、愚痴るように言った。





耳赤いし、
本当こっちはこっちで素直じゃねぇよな。




潤の場合、それは恋愛においてのみだけど。



 なんて、病気隠して、死にたいことも黙ってる俺が言える義理じゃないけど。

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