泣き跡に一輪の花Ⅰ~Love or Friends~。
「誰も悪いなんて言ってねぇよ。
——10年も好きでいるなんて、本当にスゲェよ」
——それは本心だった。
小一の時から好きなのに、今もまだ一緒になんてなかなかいれねぇよ。
可能性が絶対にない恋を、よくもまぁ
夢見たもんだ。
「ハハ、本当に凄いよなある意味。
……これでも、散々忘れようとしたんだけどな」
潤は空を仰ぎ、投げやりに言った。
「別に忘れなくていいだろ。
……初恋なんだから、ちゃんとしまっとけよ。な?」
頑張れとか、諦めんなとか、そんな自己中に等しい言葉は言えない。
潤にもあづにも、
未来を選ぶ権利はあるから。
きっとあづの未来は、
これから純恋が作ってくれるものだから。