泣き跡に一輪の花Ⅰ~Love or Friends~。
「!」
俺の言葉に、潤は驚いたように目を見開いた。
「……っ、奈々」
しかし潤はその後、たがが外れてしまったかのように静かに涙を流した。
「……泣くなよ。 本当に毎回毎回、
お前は一人で抱え込みすぎなんだよ」
全く。
泣きたいなら思い切り泣けばいいのに、あづを気にして声を無意識に押し殺すんだから、本当にしょうがないよな。
……兄基質のやつはこれだから困るんだよ。
「大丈夫だ。きっとあいつは、……お前のことも死ぬまで大切にしてくれるよ。だから好きになったんだろ? あづは絶対、お前を捨てたりなんかしねぇよ」